LIFE VIDEOの思い

そういえば父のことをあまり知らない。
空気のよめないあの性格で
何十年もどうやって働いてきたのか。
嫌なことがあったときに
どこで飲んでいたのか。
いいことがあったときに
最初に誰に連絡をしていたのか。
どんな声で歌うのか。
誰が嫌いで、
誰が好きで、
どんな風に夢をあきらめたのか。
どんな風に前を向いてきたのか。
そういえば父のことをあまり知らない。

そういえば母のことをあまり知らない。
よくしゃべるあの母が
もし私と同じ年だったら
何をふたりは話すだろう。
父と別れなかった何十年が
母にとってどんな日々だったのか。
そういえば母のことをあまり知らない。
母の我慢は知っている。
母の苦労は知っている。
でも、なぜそれをできたのか。
そういえば母のことをあまり知らない。

すべてのひとは、退屈な人生など過ごしていない。
すべてのひとは、映画の主人公に匹敵する。
すべてのひとの生きてきたあとを、
すべてのひとの生きていく勇気にしたい。

父や母や愛するひとのため息や涙や幸せを、
未来にずっと残したい。
誰かとくらべるためではなく、
生きてきたことを、
あなたが受け継いだものを、
永遠に残そう。

すべての人生は、映画だ。
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